飛龍伝21の長文感想なんぞ

さて青山劇場で10月5日~10月20日に上演されました、「飛龍伝21~殺戮の秋〈いつの日か、白き翼に乗りて〉」も終演致しました。
勝手な感想をメモ程度に書いておきます。
使用曲についてはまとめて再生リストを作成して下さった方がいらっしゃいましたので、こちらをどうぞ。

【公演データ】
公演:飛龍伝21 ~殺戮の秋〈いつの日か、白き翼に乗りて〉
日程:2013年10月5日(土)~20日(日)@青山劇場
作:つかこうへい 演出:岡村俊一
チケット料金:S席 7500円 A席6500円(税込)
出演:桐谷美玲・神尾佑・中河内雅貴・細貝圭・広海深海・橋本汰斗・尾関陸・久松信美・平沼紀久・山本亨 ほか

【配役】
神林美智子(勝利):桐谷美玲
山崎一平:神尾佑
桂木純一郎:中河内雅貴 ほか

【あらすじ(RUPさんのサイトより)】
春、一人の少女が進学のため夢と希望を胸にいだき上京した。四国高松から上京した神林美智子である。
しかし、時代は学生運動の真っ只中、やがて美智子は、全共闘作戦参謀の桂木純一郎に出会い、その理想と革命に燃える姿に憧れ、恋に落ちる…
やがて、美智子は全共闘40万人を束ねる委員長に、まつり上げられてしまう。
11・26最終決戦を前に、作戦参謀部長の桂木の出した決断は、美智子を、女として機動隊員の部屋に潜入させる事であった…。
そして、その機動隊員とは、四機の狂犬病の山崎こと、山崎一平だった…。
革命の夢と現実と、美智子を愛する者達に翻弄されながら、11・26最終決戦の日は近づいてくる…。

飛龍伝の原作となったのは「初級革命講座」で、これを元にショウアップしたものを作成したのが90年の富田靖子版「飛龍伝’90~殺戮の秋」。
それを元に92年の牧瀬里穂版「飛龍伝’92~ある機動隊員の愛の記録」、94年の石田ひかり版「飛龍伝’94~いつの日か、白き翼に乗りて」。
山崎一平を泊平助(小川岳男)に変更して作ったのが2001年の内田有紀版北区つかこうへい劇団公演「新・飛龍伝~Let the River Run」、
2003年につかこうへいダブルスとして広末涼子版「飛龍伝」、そして2010年の黒木メイサ版「飛龍伝2010 ラストプリンセス」と上演されてきた演目。
ここまでずっとつかさん自身によって演出されてきた&一平には筧利夫を配して上演され続けてきた本演目が今回岡村さんの演出でつかこうへい追悼公演として上演されました。
90と94はビデオで、新・飛龍伝とダブルスは生で複数回、という感じで拝見してきました。

今回はつか芝居というよりも、つかこうへいの戯曲を使った新しい作品という感じ。
正直、つかさんの演出を受けた人は除外して全く新しい作品として上演したら良かったんじゃ無いかと思う。
昔から見ている人は、つか演出経験者が出てくれば、「あれ」を期待してしまう。でもどうあがいても「あれ」は出てこない。
だって演出家はつかさんじゃないから。それに岡村さんには新たに台詞を付け加えたりすることはできないから。
初日からしばらく自分の中でそれを消化できなかった。

伊豆沼を演じた智則くんと馬場くん。
つか芝居だ、という観点から見たら、圧倒的に智則に軍配だ。
でも、他の新キャストとのバランスを考えたら、あっさりタイプの馬場くんがぴったりだ。

若手のキャストさんたち、普通にみんな上手なんだけど、なんか小さくまとまっちゃってるって言うか、スロットルあげてギリギリで突っ走る感じがないっていうか、頭で芝居しているっていうか、身体が先走っちゃう感じが足りないというか、汗も涙も鼻水も足りないっていうか(苦笑)、キレイすぎるっていうか、卑屈さも屈辱も嫉妬も劣等感も足りなさすぎ。
まあ新しい作品として見てみればそれはそれで見られるわけですよ。
でも私たちが、つか芝居に求めているのは、パッションなんだよ!エモーションなんだよ!フルスロットルで後先考えずに突っ走る疾走感なんだよ!!!

千秋楽で美玲ちゃんがいっちゃってて寄り目になっちゃってるところとか、中河内くんがもうちょっとで限界突破しそうになってるところで「あーつか芝居だー」って感じて嬉しかったりして。(千秋楽の美玲ちゃん本当に良かった)
もうちょっと公演期間が長かったらもうちょっと化けてたなあ、って勿体なく感じたりもして。

ついつい、つかさん演出ならどういう台詞を、どういうシーンを追加できただろう?どんなことをやらせただろう?(神尾さんの伝兵衛の時のとめさんのように)といろいろ考えてしまった。
なんだかんだ文句言ってても、つか芝居大好きだったな~。
つかさんに関わったスタッフさんや役者さんもそうでしょうが、ファンもなかなかいなくなったことに対応しきれないんだなあ、と痛切に感じました。
・・・なんか文句ばっかり書いた感じだけど、とっても楽しかったんだよ。それだけは分かって(苦笑)。

神尾さんについてちょっとだけ。
神尾さんの一平ちゃんを青山劇場で見られる日がやってくるなんて感無量でした。
レッドリバーランのシーンの一平ちゃんが大好きでした。
個人的にはもうちょっと桂木と一平がラブラブでも良かったと思うんですけど。
タフな芝居を最後まで走り続けた神尾さんや、スタッフのみなさんに、お疲れ様でした、本当に楽しかったです、と伝えて終了させていただきます。

3 Responses to “飛龍伝21の長文感想なんぞ”

  1. 和樹 Says:

    ぶるぶる様の感想を読んで…
    納得、合点きました、勉強になりましたm(__)m

    私が飛龍伝を見て、五感揺さぶられた理由も解った気がします。
    つかさん戯曲本来の味が、俳優さんの感情が、観劇する側に伝わって刺激されるんですね

    個人的に、純朴な山崎さんと第四機動隊メンバーとのやり取りは、楽しかったなあ〜

    伊豆沼さんが奥さん亡くして尚、美智子さんに決起集会へ誘う場面は、涙止まらなかったです

    3人の心情が痛ましくて…
    演出の岡村さんにとっても、わりと強気(笑)なツイートでしたけれど、そうして鼓舞することも、ご自身に対するハードな挑戦だったのかもしれませんね

    何より、神尾さんの早口セリフやら、歌やダンス!
    ドラマ、映画しか知らない、お茶の間ファンだった私ですが、感激の二時間半…

    母も凄く喜んでたので、親孝行にも、なったかな(^_^;)

    またいつか、つかさんの戯曲に触れてみたいです

  2. にゃん Says:

    ダブルスの演出は岡村さんでは?

  3. にゃん Says:

    失礼しました。
    あれは幕末純情伝の方を杉田成道さんが演出したのでした。
    一つも合っていませんでした。申し訳ございません。